子どもの間食は、どうしてチョコレートやあめ、アイスではいけませんか?
2014.03.12
実際の日々の診療で、小学校以下の幼い子どもさんで、むし歯が多い場合、多くの場合、間食の欄に書いてあるのが、チョコレート、アイス、あめ、スナック菓子です。むし歯が数本もあっても、その子どもさんの会話に出てくるのは、「うちの冷蔵庫にはチョコレートがあって、それが自由に食べられる」というのが多いです。
確かに、むし歯は、昔に比べ減ってきたといわれますが、臨床専門の私たちには、たくさんのむし歯を持っているお子さんは、普通の一般的なお子さんのお口の状態に比べ数段悪くなっているという感覚があります。このような場合、むし歯を治すことも大事ですが、それ以上に大切なのは、家庭での食習慣の改善のように思います。
子どもは、成長のために栄養がたくさん必要なので、3度の食事では十分栄養が摂取できず、間食が必要なのです。子どもの場合、間食の意味合いが大人とは異なります。間食というより、補食と考えるべきでしょう。
ですから、子どもの間食をアイスやスナック、チョコレートで補うのでは、本来の間食の意味はありません。
お食事として、ご飯が十分食べられなかったのなら、間食におむすびやパン、ホットケーキという選択もあるでしょう。また、野菜が十分でないと感じられたら、トマト、ふかしイモ、ゆでたトウモロコシ。果物が十分でないと感じられたら、果物を間食に。カルシウムを補うことを考えるのなら、煮干し、チーズ、ヨーグルト、ヒジキ入りホットケーキなど自由自在に食事の一部として考えてください。
Coが数本もあるお子さんの保護者の方には、歯みがきの方法、フッ素の利用に加え、間食の方向性についてお話します。特に幼いお子さんの場合は、むし歯のコントロールの中で、食生活にかかわることは、ご家庭の責任だと思います。
食生活にかかわるご家庭の協力なくしては、いくら運よく、幼くして虫歯の治療ができたとしても、また、むし歯ができ「振出しに戻る」の繰り返しになります。