【2歳の子どもと歯医者 22】 むし歯治療と子どもの心の成長
2016.03.05
こんにちは、川西歯科医院の歯科衛生士の児玉奈々です。
今回は、むし歯治療と子どもの心の成長について考えさせられたケースについてお話します。
歯で一番目立つと言えば、前歯です。
しかし、むし歯治療が上手に出来ないと、進行止めを塗り、その薬の影響で歯が黒くなってしまうことがあります。
あるたくさんむし歯のある2歳のS・Rくんがいました。むし歯はほとんどの歯にありました。前歯も進行止めのせいで黒く、欠けて小さくなっていました。
はじめはなかなか治療ができず、歯磨きさえ、泣きながらなんとか頑張っているような状態でした。
しかし、お母様が根気よく歯医者に連れて来てくださったおかげで、S・Rくんは長い時間をかけて歯医者に慣れ、歯磨きができるようになり、治療器具にひとつひとつ慣れていき、4歳のときにやっと一本治すことができました。そのとき、治したのは、黒く欠けていた前歯でした。
なんとか治療した後も緊張がまだ解けないのか少しうつむいていましたが、弟が初めて治療ができたと聞き、様子を見に来たお姉ちゃんに、
「前歯ができたね!」と、褒めてもらうと、S・R君はとてもうれしそうに帰っていきました。
それからは、歯医者に来ても、上手に治療を受け、むし歯を全部治すことが出来ました。今では、定期的にチェックにきています。むし歯がゼロの時もありますし、もし見つかったとしても、上手に治せます。
まわりの方の声掛けひとつが、お子さんの心の大きな成長に繋がるのだと実感しました。
なかなかできないと悩まずに、できることをひとつずつ増やしてあげて褒めて、自信につなげてあげることが大切なのではないでしょうか。